皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。
皆さん、『月刊!スピリッツ』で連載中のマンガ『処方箋上のアリア』(著者:三浦 えりか、出版:小学館)はご存知ですか?
薬剤師が主人公の薬学ミステリーで、なんと、著者の三浦 えりか先生自身が薬剤師です。だからこそ説得力があります。
何かしらの疾病や薬剤がテーマになっている話が多いのですが、医師目線で見ても大変勉強になります。
マンガとしてのエンターテイメント性も高く、私は毎回笑わされたり泣かされたりしています。
「楽しくマンガを読んでいただけなのに、疾病や薬剤に詳しくなれる」というのは、なかなか凄いことだと思います。
医療者でなくても読みやすいと思うので、私は社員さんに読んでもらえるよう、職場の待合室に置いてあります。
そして2021年12月10日、待望の最新巻、第3集が発売されました!
コミックスのカバー裏の4コママンガや、おまけページも面白いですよ~。
最新巻発売を記念して、今回は『処方箋上のアリア』の紹介記事を書きました。
少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
是非ご一読ください。
『処方箋上のアリア』主な登場人物紹介
主人公は、亜理亜薬局の薬局長、麻生 葛(あそう かずら)。
口は超悪いが、知識豊富で洞察力も優れたキレ者。
ヒロイン?は、天然ボケボケ新米薬剤師の浜菱 愛莉(はまびし あいり)。
愛莉はとっても可愛いのですが、言動が面白過ぎます(笑)。
この2人で亜理亜薬局を切り盛りしています。2人のテンポの良いやり取りが心地良いです。
『処方箋上のアリア』第一話 無料購読リンク
『月刊!スピリッツ』の公式サイトで、第一話が無料購読出来ます!(2021年12月11日現在)
三浦えりか「処方箋上のアリア」の作品詳細ページです。…
オープニングの舞台は、とあるバー。
ある男性が、連れの女性に「ここのチャイナブルーは美味しいよ」と、青いカクテルを勧めます。
女性がグラスに手を伸ばすと、その手を掴んで止める人が…それが麻生です。
青いカクテルの正体は?
何故麻生は、女性がそれを飲むのを止めたのか?
麻生がカッコ良くて、オープニングから唸りました!
是非読んでみてください。
『処方箋上のアリア』第一集 各話のテーマ紹介(ネタばれなし)
臨床医の皆さんが興味ありそうな各話の医学的テーマをまとめました。
各電子書店で単話配信もしているので、気になるテーマの話だけ購入するのもいいですね。
第一話「真夜中の侵入者」
テーマ:デートレイプドラッグ、睡眠薬
今回のお客さんが悩んでいるのは、真夜中の侵入者について。
普通なら警察に相談に行くところですが、その犯人は何と…。
麻生の「薬剤師自身が薬になるんだ」というセリフに痺れました!
第二話「仮面の中身」
テーマ:バイアグラ、ED(勃起不全)、狭心症、硝酸剤
ドラマティックな展開で、お気に入りの話です。
愛莉が「EDは恥ずかしいことじゃない」と教えてくれます。
母校に侵入して(コラ)薬剤の分析をする麻生がカッコイイです。
第三話「いらないという選択肢」
テーマ:ウイルスと細菌の違い、市販の風邪薬、依存性
ウイルス性の風邪なのに「抗生剤ください」「点滴で治してください」という患者さん、多いですよね。
この話は、非医療者にこそ読んでほしい…!
第四話「忘れたくないこと」
テーマ:後発医薬品(ジェネリック)、認知症
今回のお客さんは、高齢のご夫婦。
認知症になってしまった妻を別人のように感じ、夫は戸惑いますが、最後にはそれでも「ずっとこいつといたい」と(号泣)。
第五話「身近に潜む毒」
テーマ:うつ病、抗うつ薬、カフェイン中毒
うちの社員さんでもエナジードリンクを飲んでいる人が多いので、気を付けてほしい…。
麻生の過去に何があったのか?匂わせる場面があります。
『処方箋上のアリア』第二集 各話のテーマ紹介(ネタばれなし)
徐々に麻生の過去に迫り、新キャラが登場し、更に面白くなっていきます!
第六話「手持ちのカード」
テーマ:生活習慣病(高尿酸血症、高血圧、脂質異常症)
体質が似てしまった親子の話です。
私は生活習慣病について社員さんに指導することが多いので、参考になりました。
麻生が見知らぬ女性と食事しているところを、愛莉が目撃してしまいます…!
第七話「招かれざる使い道」
テーマ:処方箋の偽造、ワルファリンカリウム
オープニングの怪しい展開が、第一話を彷彿とさせます。
麻生が大学病院勤務時代、とある事件に巻き込まれたという事実が分かります。
この話を読んで、「薬剤は食物の組み合わせで効果が変動してしまう」ということを改めて意識するようになりました。
第八話「身近だけど知らないこと」
テーマ:感染症対策、消毒用エタノール、ベンザルコニウム
コロナ禍の今だからこそ必見の内容です。
「消毒薬自体も細菌で汚染される」というのは、意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
第九話「少しでも、多く」
テーマ:頭痛、市販の頭痛薬、低血糖、無症候性心筋虚血
今回のお客さんは高齢男性で、自己判断で市販薬を飲んでいたために命の危機にさらされていました。
この話もドラマティックで好きです、そして最後に泣かされます(号泣)。
麻生の前職場の大学病院も絡んできます!
新キャラの蘇芳先生(医師)が天然で可愛いです。
第十話「当事者の隣」
テーマ:生理痛、PMDD(月経前不快気分障害)、市販の鎮痛薬
生理痛で悩んでいる女性は多いですよね。
いつでも説明出来るように、この話の内容はちゃんと覚えておきたいです。
愛莉は腐女なのかな?
『処方箋上のアリア』第三集 各話のテーマ紹介(ネタばれなし)
麻生の過去に迫る、激アツ展開の第三集。
高校時代のエピソードが切ない…。
三浦先生は、人の心の機微を描くのが上手ですね。
第十一話「もう二度と来ない」
テーマ:アルコール、麻生の過去
アルコールについて盛り沢山な内容です。
酒好きの人には是非読んでいただきたいですね。
そして、麻生が遂にあの男を警察送りに…!痛快です!
第十二話「心はどこにあるのか」
テーマ:むずむず脚症候群、神経伝達物質、麻生の過去
治療のための薬で依存症になってしまうなんて…。
薬は気を付けて処方しないといけませんね、自戒を込めて。
そして、麻生の過去編が本格的にスタートです。
麻生が一度口にしていた「芹香」という女性が登場します。
第十三話「心の中は見えないけれど」
テーマ:麻生の過去
今回は、医学的な話はお休みです。
麻生・芹香ともに、どこか寂しさを抱えて生きています。
けれども二人で支え合って、小さな幸せを感じていたところに、不吉な影が忍び寄り…。
第十四話「見て見ぬふりはできない」
テーマ:麻生の過去、うつ病
衝撃の展開。麻生は絶望の底に突き落とされます。
このことがきっかけで、麻生は薬剤師を目指すようになります。
第十五話「知るということ」
テーマ:糖尿病、低血糖
糖尿病の薬、めっちゃ沢山ありますよね…。
この話ではとても分かりやすくまとまっています。
そして麻生が巻き込まれた大学病院の事件に、新たな動きが・・・!
第三集の続きは、現在発売中の『月刊!スピリッツ』2022年1月号で読めます。
ハラハラ展開が続いています…!
まとめ
薬剤師が主人公のミステリーマンガ、『処方箋上のアリア』を紹介させていただきました。
私は臨床医時代、「薬剤師さんにどこまで相談していいのか・どこまで頼んでいいのか」が分からず、あまり連携が取れていませんでした。
皆さんの中にも、同じ境遇の方はいるのではないでしょうか。
そんな方でも、このマンガで薬剤師の仕事を知ることが出来ます。
そして、このマンガがコミュニケーションツールとなって、同じ病院の薬剤師さんと仲良くなれるかもしれません。
多職種連携は、より良い診療をしていく上で非常に重要ですよね。
皆さんの働きやすさにも繋がるはずです。
この記事が、少しでもそのお役に立てれば幸いです。
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三浦えりかさんのブログです。最近の記事は「限定偽婚14話先行配信スタート(画像あり)」です。…