生成AI時代を生き残れ!医師の働き方・学び方はどう変わるのか

皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。

お待たせしました、今回は久々に「テクノロジー」カテゴリの記事です!

当ブログは「医師の自由な働き方を応援する」というコンセプトですが…私は、独学でweb3や生成AIなどの最新テクノロジーについても勉強をしています。

何故ならこれらは、全人類の働き方を激変させる可能性がある技術だからです。

生成AIなんて、ずっと遠い未来の話だと思っていたけど…
更紗
その未来は、もう目の前なんです!

『中田敦彦のYouTube大学』でも、つい先日、生成AIについての動画が配信されました。直近の生成AIの過熱状況がご理解いただけると思います。

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【動画目次】00:00 OP08:51 進化11:13 GPT-4oと会話19:09 落胆27:04 次回予告この動画の…

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【動画目次】00:00 OpenAI激闘史02:23 GPT-103:23 GPT-207:23 GPT-307:57 …

生成AI技術の進歩により、私たちの働き方はどのように変化するのか・今後どういう働き方を選んでいくべきなのか。

「自由な働き方」を模索して活動している私といたしましては、絶対に知っておきたい知識なのです。

しかし…医療現場は、そういう最新テクノロジーに疎いと思いませんか、皆さん。

まさかとは思いますが、皆さんの職場は未だに紙カルテで処方箋が手書きだったりしませんよね(私の過去のバイト先)。

個人情報保護のためや患者さんの命を守るためということで、新しい技術を採用することに及び腰になってしまう気持ちはよく分かります。

しかし医師の働き方改革をより推し進めていけば、今後必ず最新テクノロジーの導入が検討されることになります。

その時、当事者である皆さんが「生成AIとかよく分からないし怖いから」と導入を拒めば、自分で自分の首を締めることにもなりかねません。

「高齢の医師が電子カルテ化を猛反対して導入できない医療機関」と同じ轍を踏むことになってしまうのです。

なので皆さんにも、是非最新テクノロジーを知っていただき、ご自身の働き方を改善することに役立ててほしいと思い、

当ブログではテクノロジー関連の記事もアップするようになりました。

私も専門外なので、まだまだ勉強中の身です。一緒に楽しく学んでいきましょう!

今回の参考文献はこちら、『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』(著:伊藤 穰一、出版:SB Creative)です!

web3についての記事でもお世話になった伊藤 穰一さんの書籍です!

web3や生成AIについて学ぶのでしたら、まず最初に伊藤 穰一さんの書籍を読まれることをオススメします。

伊藤さんは「社会とテクノロジーの変革」についての第一人者で、どの書籍もリテラシーに配慮して書かれており、最新テクノロジー分野の教科書と言っても過言ではありません。

↓ 伊藤さんのYouTubeチャンネルもあります!動画の方が学びやすい方は要チェックです ↓

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伊藤穰一千葉工業大学学長と変革センターセンター長、デジタルガレージ共同創業者兼専務執行役員Chief Architec…

今回の記事では、本書の中から「働き方」・「学び方」についての部分を引用させていただき、分かりやすいようにまとめました。

この記事を読んだら、皆さんのセルフ働き方改革が一気に加速するかもしれませんよ。

是非ご一読ください!

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生成AIで変わる「働き方」

生成AIを活用した医師の働き方

ジェネレーティブAIは、今まで人が手を動かしてこなしてきた「作業」の多くを代わりにやってくれる。それだけ人の手間が省かれ、業務が何倍も何十倍も効率化されるため、人間は「本当に人間にしかできない部分」に集中し、それを拡張していけます。

(中略)

AIを使って仕事をすることで、作業的な労力は削減される。いわば仕事の構造が変わることで、今まで表層的な「勤務時間」「待遇」といった側面でしか語られてこなかった「働き方改革」が、もっと本質的な意味で起こるだろうともいえます。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

医師の働き方改革が”本質的な”ものになるよう、切望しています。

ところで私は、医師の業務の中でも「退院サマリーの作成」なんかは生成AIの得意分野なんじゃないかと思うんですが、皆さんどう思われますか?

生成AIが電子カルテの記録をピックアップして定型的なフォーマットに落とし込み、退院サマリーの草案を作成する。それを医師が加筆・修正して完成とする。

めっちゃ良いと思う。(自画自賛)

また、以前から「患者さんの自覚・他覚所見から鑑別疾患を提案する」という、診断のサポートもできるようになるということが言われていましたね。

私は現在の診療体制は、医師ひとりの知識・経験に頼りすぎていると思います。

「鑑別疾患について提案してくれる」、「治療法について提案してくれる」などの生成AIのサポートは歓迎すべきです。

医師の負担は軽減され、患者さんにとっても最善の結果が得られるので非常に有益だと思います。

注意点としましては、あくまで生成AIのサポートは「提案」に留めること。

生成AIを鵜呑みにせず、必ず医師自ら考え・調べ・決定するという責任を負う必要があるでしょう。

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生成AIを活用した研究者・研究開発職の働き方

また本書では、「研究者・研究開発職」の働き方の変化も予測してくださっていました。皆さんにも関係があると思いますので、ここで一部ご紹介します。

研究者は、図書館で本を借りる、学会誌で最新論文を読む、各地の大学図書館にアクセスして論文を検索するなど自力でリサーチしてきましたが、その大部分はジェネレーティブAIに任せられるようになるでしょう。

ジェネレーティブAIと相談しながら、研究方法を検討したり、実験やフィールドワークの計画を立てたりと、研究のロードマップを描くこともできます。

あるいは、研究費を獲得するための手続きや大学内の雑務など、研究以外のことはジェネレーティブAIがやってくれるようになるはずです。

(中略)

ただしジェネレーティブAIにリサーチをさせる際には、1つ注意が必要です。ジェネレーティブAIは、オーダーにうまく答えられないときなどに、実在しない架空の論文をでっち上げるなど、嘘をつくことがあるのです。

(中略)

当面は、提示された論文を別のジェネレーティブAIで検証する、検索エンジンで調べるなどの裏取り作業が必要です。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

私も大学院生時代に研究に携わっていましたが、煩雑な事務作業のまあ多いこと…。

生成AIが優秀なパートナーとして機能してくれたら、皆さんは研究者の本分である「考えること」に集中できるようになります。

今後、研究領域では、生成AIを有効に活用できるか否かで勝敗が決まるようになるのかもしれませんね。

人間の仕事は「掛け合わせ、練り上げる」ことにシフトする

伊藤さんは本書の中で、「人間の仕事は総じて『DJ』的になっていくと思います」と仰っています。

まさかのDJの登場に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

端的にいえば、「ゼロから生み出すこと」ではなく「掛け合わせ、練り上げること」が、DJのクリエイティビティの見せどころです。そこが、ジェネレーティブAIを使って仕事をするのと、よく似ているのです。

(中略)

「どんな言葉を掛け合わせ、どうジェネレーティブAIを扱ったら、筋のいいたたき台が生成されるか」を考えるセンスが求められる。その点においても、DJと同様、「掛け合わせ、練り上げること」が人間のクリエイティビティの見せどころといえるのです。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

臨床現場では「治療法」という正解がほぼ決まっているので、DJ的になるのは難しいかもしれませんね。

新しい疾患を発見する、新しい治療法を編み出すなどの分野では生成AIが大活躍しそうです。

私はブログの他にライター業もやっていますが、この「書く」という分野では、生成AIのChatGPTなどの活用が進んでいます。

ChatGPTにブログや記事の草案を書いてもらい、自分は加筆修正するということですね。

膨大な量の執筆をしなければならない職業の方は、既に積極的に利用していることでしょう。

私は自分の思うままにダラダラ書くのが好きなので(笑)ChatGPTには書いてもらっていませんが、ネタを提案してもらったことはあります。

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芥川賞受賞作家の九段理江さんが、受賞作『東京都同情塔』の5%前後でChatGPTの文章をそのまま使っていたことが物議を醸しましたが、

そうやって生成AIを使いこなして素晴らしい作品を生み出したということ、まさにDJ的ですよね。

しかし創作の分野においては、生成AIの使用についてまだまだ厳しい姿勢が見て取れます。今後の動向に注目ですね。

CNN.co.jp

日本の作家、九段理江氏(33)は同国で最も栄誉ある文学賞の一つを受賞した後、普通とは異なるものの力を借りていたことを認め…

じゃあ、医学論文をChatGPTに書いてもらうことはできるのか?気になりますよね。

2023年1月学術雑誌の『サイエンス』は、「ジェネレーティブAIによって書かれた論文は認めない」と公表しています。

これは真っ当な判断ですね。捏造された1本の論文で、その分野の常識が覆される可能性もあるんですから。

皆さんも、投稿先の学術雑誌の規定に「生成AIの使用について」書かれていたら、必ずチェックしてくださいね。

生成AIを使って必死に書いた論文が、規定に引っかかってパアになってしまってはショックが大きすぎますからね。

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生成AIで変わる「学び方」

生成AIが、社会人の学び直しに大変革をもたらす

昨今の日本では、「社会人の学び」がしばしば話題になります。「大人の学び直し」「リカレント教育」「生涯学習」とも呼ばれていますね。

しかし、ここに大きな壁が立ちはだかります。

年を取って記憶力が低下しているし、仕事が忙しくて学習に割く時間がない。(実感)

そんな時に大活躍するのが、そうです、生成AIです。

「知識は、自分でゼロから学んでこそ身につく」という考え方もあるでしょうし、僕自身、それに賛成できる部分もあります。ジェネレーティブAIを用いて学ぶか、用いずに学ぶかは「是非」の問題ではなく、「選択」の問題なのではないでしょうか。学ぶジャンル、学ぶ目的に応じて、個々が選択していけばいいと思います。

(中略)

従来は自分でゼロから学ぶしかなかったところへ、「ジェネレーティブAIを使う」という選択肢が加わった。この点が重要で、特に社会人の学び直しには大変革をもたらすだろうというのが僕の見方なのです。自分の脳というメモリーも、学びに使える時間も有限ですから、何に脳と時間を使うのかは各々で決めればいいと思います。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

いやー、生成AIがあって助かりましたね。

しかし、生成AIは「虚偽をもっともらしく説明する」可能性もある技術。そのため伊藤さんは、下記のように注意喚起もしていらっしゃいます。

自分自身が「正誤のチェック役」として機能できない未知の分野について学ぶときに、ジェネレーティブAIを「(絶対的な正解を教えてくれる)先生」と思ってはいけません。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

例えば私たちが翻訳ツールを使って、日本語→英語もしくは英語→日本語の翻訳をする時。

「めっちゃ変な翻訳になってる」と気付いて、修正することができますよね。

しかしこれがアラビア語だったらどうでしょう…変な翻訳になっていても全く気付くことができません。

(これを読んでいる方の中に、アラビア語をマスターしている方がいらっしゃったらすみません)

これと同様で、皆さんが専門外の疾病について生成AIに尋ねること・その回答を鵜呑みにすることは非常に危険です。

専門外の疾病については、是非これまで通り、専門医へご相談・ご紹介ください。

生成AIは先生ではなく、あくまでパートナー。その立ち位置はしばらく崩さない方が良さそうです。

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生成AI時代の評価基準は「主体的に考え・行動できること」

これからの時代、僕たちはいよいよ真の意味で「人間にしかできないこと」「人間にしかないもの」によって評価されるようになっていく。人間にしかないクリエイティビティと並んで、「主体的に考え、行動できること」も、重要な評価基準になっていくでしょう。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

伊藤さんは言葉を変えて、「自分にしか考えつかないことを発想し、リスクを取って今まで誰も踏み込んでこなかった道を進んでいける力を培っていくことが、これからの世の中を生き抜く条件です。」とも仰っています。

つまり…開拓者(フロンティア)精神が大事ということですかね?

このように主体的に考え行動できる能力は、主体的に学ぶことによって培われるため、私たちはAIを使って主体的に学ぶ人材になる必要があるといえます。

例えば、学びたいことをまず生成AIに投げかけ、得られた情報を自分なりに検証してみるということです。

私も積極的に生成AIを使って学びを深めるよう、努力したいと思います。

生成AI時代では受け身の人、指示待ちの人は仕事を得られなくなるということ、肝に銘じておきましょう。

日本において臨床医の仕事がなくなるということはありませんが、

強く問題視されている医師の偏在(地域の偏在・診療科の偏在)は、今後是正されることが考えられます。

そうなると、「自分の望む地域で働けない」、「自分の望む診療科になれない」臨床医が多数発生することになるでしょう。

皆さんもその一人になってしまう可能性があります。望むように働けないというのは、本当に辛いものです。

しかしどのような事態になっても、転職や副業といった行動を起こすことで柔軟に働き方を変えることができます。

今現在はその予定がないとしても、そのような選択肢があるということ、是非心に留めておいてくださいね。

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生成AI時代の「本物のプロフェッショナル」とは

今後、多くの仕事がAIと人間の分業制になっていくことが予想されます。

AIだけで仕事が完結することは考えられません。最終的には、その仕事のプロである人間の頭脳や手が加わって、初めて世に出せる成果物となります。「人間の役割をまっとうできる人材を育てる」とは、言い換えれば「プロフェッショナリズムを育む学習」ということです。

ーーー 伊藤 穰一『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』

では、プロフェッショナリズムを構成するものとは何なのか…伊藤さんは下記の3つにまとめてくださっています。

<伊藤 穰一さんが考える、プロフェッショナリズムを構成するもの>

  1. AIが提示した答えの正誤をきちんと「チェック」できること
  2. 自分が従事する分野において「習熟」していること
  3. 「変わったこと」を発想できること

伊藤さんは「この3つの要素を兼ね備えている人は、AIと仕事領域が被ることなく、人間の役割をきちんと果たしていけるでしょう」と。

①②の要素は、臨床医の皆さんでしたら既に身に付けていらっしゃると思います。

ということは、臨床医の教育方針は生成AI時代にもあまり変わらないと考えられます。

AIと上手く共存していけそうですね!

③の要素は、医療現場で発揮することはあまりなさそうですね(笑)。

まとめ

私もマレーシア移住を機に、「多言語学習をしたい」「医師ではなく別の専門性を身に付けたい」と思っていたところだったので、

今回の書籍を読んで得られることがとても多かったです。

自分が生きてきた「これまでの時代」と、生成AIが浸透した「これからの時代」。

適切な「働き方」も「学び方」も、全く変わってしまうということが分かったからです。

生成AI時代に求められる働き方を知り、実践する。

古い学習方法ではなく、生成AIを活用した上で主体的な学習をする。

生成AI時代にも通用するプロフェッショナリズムを身に付ける。

これらを意識した上で、さらに成長できるように努力していきたいと思います。

そんな生成AI時代でも、「臨床医はAIと共存していけそう」ということが分かり、安心された方も多いのではないでしょうか。

激務の臨床医の皆さんには、是非最新テクノロジーを取り入れて、より働きやすい環境を整えていただきたいです。

皆さんが心身の健康を保ちながら臨床医として働き続けられるようになること、心より願っております。

本書には、今回の記事で書ききれなかった「教育」、「イノベーション」、「リーダーシップ」、「リテラシー」などについても詳細に書かれていて、大変勉強になります。

生成AIにご興味がある方は、是非書籍も手にとってご覧くださいね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。