夫に仕事の悩みを相談してみた
皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。
私は、いつもは「人の相談にのる側」の人間です。
職場では、専属産業医として社員さんの相談にのりまくり、
家庭では、同時に話しかけてくる夫・子どもたちのマシンガントークを受け止める。
今思うと、自分から「人に相談する」ことは滅多にない生活を送っていました。
そのためか、悩みがあっても一人で抱え込んでしまうこともしばしば…。
でも今日は、仕事の悩みを夫に聞いてもらいました。
「職場の同僚でもないのに、夫に相談したところで何の解決策にもならないでしょ?」
というご意見もあると思います。
私も以前まではそう思っていました。
でも、理屈ではなく、夫に悩みを打ち明けたことで明らかに気持ちが軽くなったのです。
今回の日記では、そんな「人に悩みを相談することの大切さ」に気付いたエピソード、および「その科学的・心理学的効果」について書きました。
私と同じように、「悩みを人に相談するのが苦手な方」に参考になれば嬉しいです。
イライラして家族にあたってしまった
今日は、仕事のことで不安な気持ちを抱えたまま帰宅しました。
ですがそれを家族に悟られないように、何とか夫や子どもたちといつも通りのやり取りをして過ごしました。
しかし…食事の時間、上の子(4歳)はふざけて食事をひっくり返し、下の子(1歳)はイヤイヤ期で全く食事を受け付けず。
小さい子どもを育てる家庭ならそんなことは日常茶飯事なのですが、
今日はイライラが募って「早く食べなさい!」と子どもたちを叱ってしまいました。
その後も、ガチャガチャと音を立てて皿洗いをしたり、扉を強く閉めたりと…
不機嫌をあらわにして家族に気まずい思いをさせてしまい、深く反省することになりました。
自分はまだまだ妻として・母親として未熟であるということを痛感しました。
「人に話を聞いてもらうこと」の効果を実感
その後、子どもたちには謝り、絵本を読むなど心のケアをしました。
ですが胸の内はモヤモヤしたまま…。子どもたちが寝室で遊んでいる間、夫に悩みを聞いてもらうことにしました。
とにかく自分の悩みを吐き出したい!という一心でした。
そこで、下記のような「人に話を聞いてもらうこと」の効果を実感できました。
- 人に話を聞いてもらうだけで、心がスッキリする
- その後は落ち着いて考えを整理できる
- 自分が感情的になっている時は、相手のアドバイスは不要
- 自分が冷静な時は、相手と対話をすることで、より良い考えに結びつくこともある
皆さん、どれも耳にしたことがあると思います。もちろん私もです。
ですが私は、今まで「マニュアル本にそう書いてあったから知っている」程度で、実感していなかったのです。
しかし今回、自分が「相談する側」に立ったことで、初めてそれらを実感するに至りました。
次の章では、『アウトプット大全』で取り上げられている「相談する」「打ち明ける」ことの効果を解説していきます。
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「相談する」「打ち明ける」科学的・心理学的効果
『アウトプット大全』(著者:樺沢紫苑、出版:sanctuary books)にも、「相談する」「打ち明ける」という項目があり、科学的・心理学的な効果についてまとめられていますので、その一部を抜粋してご紹介します。
「相談する」効果 気持ちを誰かに話すだけで、心は軽くなる
日本人は、相談するのがものすごく苦手です。
樺沢先生は、精神科医として「あと2ヶ月早く相談してくれれば、ここまでひどくならなかったのに」という経験を、数えきれないほどしているとのこと。
患者さんに「なぜもっと早く相談しなかったのですか?」と質問すると、ほとんど同じ答えが返ってくるのだそうです。
「相談しても問題は解決しないから。現実は何ひとつ変わらないから」
確かに、ブラック企業に勤めていて、残業も多く、多大なストレスを抱えていたとしたら…その会社を辞めない限りストレスから解放されないように思えます。
しかし、心理学的には、その考えは完全に間違いです。
同じストレスを受けていても、「コントロールできる」という感覚を持つだけで、ストレスの影響は消えてなくなるのです。
人に相談することで、対処法が示される。
あるいは、自分で順序立てて話すことで頭の中が整理され、自分で対処法や方向性が見えてくる。
これが、「相談」あるいは「心理カウンセリング」は効果があるという心理学的理由です。
「打ち明ける」効果 自分の本心を明かすことが、絆につながる
日本人は「打ち明ける」よりも、「我慢する」「耐え忍ぶ」傾向が強いので、自分の弱さを「打ち明ける」ことをよしと思わない人もいるでしょう。
しかし、自分の心の中を打ち明ける(自己開示する)ことで、相手との心理的距離が近づきます。
これを「自己開示の法則」というのだそうです。
また、自分が自己開示をすると、相手も自己開示をしてくれる。
これを「自己開示の返報性」といいます。
お互いに心の中を開示しながら人間関係を深めていくのです。
初対面の人にいきなりディープな自己開示はできないですが、知り合ってからの期間も長く、相手の心の扉が開いている場合は、より深い自己開示が可能になります。
かっこいいところだけでなく、あえて弱い部分も見せていく。
今回の日記もそうなっていますね。
そして本当に、今回夫に悩みを打ち明けたことで、夫との絆が深まったように感じました。
(夫がどう思っているかは分かりませんが…笑)
今まで夫がイライラしていた時、私はこうやって素直に話を聞いてあげていただろうか。自分もイライラしながら聞いていなかっただろうか…と自問するきっかけにもなりました。
次、自分が夫の相談にのる側になったら、誠心誠意耳を傾けるようにしたいと思います。
全てのことに感謝の気持ちを
自分が辛い時は、悩みの原因に限らず、全てのことを憎みたくなると思います。
私も、今日帰宅したばかりの時は、
「一人の時間がほしいのに無い」
「夫の作った料理がしょっぱ過ぎる…何で食材を無駄にするの」
「夫はいいよね、一人でゆっくりご飯食べられて。私は子どもたちに群がられてゆっくりできないのに」
などなど…怒りが止まらなかったです。
夫も子どもたちも何も悪くない、ということは分かっているのですが。
しかし、夫に話を聞いてもらった後は、全く逆でした。全てのことに感謝の気持ちが溢れてきたのです。
「一人の時間も全くないわけじゃない。入浴中ゆっくりできただけでも良かった」
「夫が毎日温かいお風呂を沸かして、美味しいご飯を用意して待っていてくれて、自分は本当に恵まれている」
「子どもたちが群がってくるのは大変だけど…こんな私にハグしてくれる存在があるって幸せだな」
樺沢先生の著書『頑張らなければ、病気は治る』(出版:あさ出版)には、下記のような「感謝の7つのメリット」が紹介されています。
- 感謝すると人間関係がうまくいく
- 感謝するだけで幸福度が25%アップ
- 感謝する人は9.4年長生きする
- 感謝する人は病気になりにくい
- 感謝すると免疫力がアップする
- 感謝する人は病気の回復が早い
- 感謝するだけで痛みが軽減する
樺沢先生は、次のように提案してくださっています。
まずは、奥さんや旦那さんへの言葉を「愚痴」から「感謝」に変えるだけで、夫婦仲も変わってきます。勇気を出して「いつもありがとう」と言ってみませんか。
私も、日頃から夫に感謝の気持ちを伝えてはいるのですが、今回のみっともないエピソードについてはまだ謝ったり感謝の気持ちを伝えたりできていません。
恥ずかしがらず、明日の夫婦2人の時間には伝えようと思います!
皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。私事ですが、私には結婚10年目になる夫がいます。ありがたいことに、これまで大きな離婚の危機もなくやってこれました。しかし、何の努力もせず夫婦関係を維持できたわけではありません。少なくとも[…]
自分の未熟さに気付き、成長できた
相手にアドバイスされなくとも、答えは既に自分自身の中にある。
その答えに導いてあげるのが、「人の相談にのる」ということなんですね。
悩みがあるということは、本当に辛いことですよね。
不安がどんどん増大し、必要以上に自分を傷付けてしまうこともあります。
私も、今回の悩みは、「まだ何も悪いことが起こっていないのに、不安が先走っていただけだった」「今から心配したって仕方がない」ものでした。
ですが今回、無駄足を踏んだとは思っていません。
自分の未熟さがあぶり出されたことによって、家族に深く感謝することもできたのですから。
このことで、家族の一員としても、専属産業医としても、成長することができたと思います。
これまでは、専属産業医として人の話を聞くことが、どれほど社員さんのお役に立てているのか…正直自分ではよく分かっていませんでした。
しかし今なら、少し分かった気がします。
今後も、これまで以上に「話を聞くこと」を意識して仕事に臨み、社員さんに貢献したいと強く思いました。
皆さんの中にも、「人に相談するのが苦手」だと感じている方がいらっしゃるなら、
どうか勇気を出して、信頼できる人にその悩みを打ち明けてみてください。
ただの愚痴でいいんです。理屈が通っていなくてもいいんです。
そして、あなたの苦しみを受け止めてくれた人に心からの感謝を。
その時にはきっと、あなたも成長しているはずですよ。
では、また!