【医師のための生成AI活用術②】医師の働き方に直結する「臨床現場編」〜医師の仕事が生成AIに取って代わられる未来

皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。

最近こちらはぐずぐずした雨が続いており、毎週末「あぁ〜子どもたちをどこで遊ばせよう」と頭を悩ませています(汗)。

でも、あまり気にしない方がいいですね。

ロバートの秋山さんのように。

↓ ロケ中の雨はもう気にしないらしいです ↓

作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有…

さて、今回も「医師が生成AIを活用するためのノウハウ」について紹介して参ります。

前回の「基礎編」に引き続き、今回は「臨床現場編」です!

臨床現場での生成AI活用は皆さんの働き方に直結するため、気になっている方も多いことと思います。

参考書籍はもちろん、大塚 篤司先生の『医師による医師のためのChatGPT入門』シリーズ。

更紗
全医師にオススメしたい良書です!

本書では、登場人物2人のやりとりでストーリーが進行していきます。

  • 花咲アイ先生(2年目の皮膚科医。パソコンが苦手)
  • おーつか先生(皮膚科医、大学教授。生成AIのワークショップを開催)

↓ 2024年4月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2024年9月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門②』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2025年12月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門③』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

この記事を読むことで、「生成AIの進化が早すぎてついていけない」「自分の働き方に悩んでいる」という方も、
「ChatGPTをはじめとしたデジタルツールを活用して働き方を改善する」ことが叶うはずです。

是非ご一読ください!

↓ 先に「基礎編」の記事を読んでいただくと、理解がスムーズだと思います ↓

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【生成AI】ガイドラインを読み解く

診療ガイドラインは、その疾患に関わる医師が必ず読んでおくべき資料の一つ。

とはいえ、その内容をすべて暗記することは難しく、必要なときに必要な情報を取り出したいものです。

本書では、有料版ChatGPT(GPT-4)に診療ガイドラインのPDFをアップロードして、

「皮膚血管肉腫の一般的な治療法を教えてください」とプロンプトに入力。

その結果、簡潔にまとまった回答が得られていました。

更紗
しかし、この回答が正しいものかどうかは、ガイドラインの原文に戻って確認する必要があります。

このことに対して、花咲先生は「えー、それなら最初からガイドラインを読むのと変わらないじゃないですか」ともっともな意見を述べていましたが(笑)、

おーつか先生は下記のように説明してくださっていました。

そんなことはないよ。

元の資料を確認することは必要な作業だし、どんな資料でも原著論文にあたることを忘れてはいけない。

それに、ChatGPTの回答からキーワードを見つけ出して、ガイドラインで検索をかけたら作業は早い。

 

ーおーつか先生『医師による医師のためのChatGPT入門

ChatGPTの使い手は、そもそも診療ガイドラインの内容に習熟しておく必要があり、

ChatGPTの回答はあくまで、その理解を早めたり・深めたりといったサポートツールとして用いるべきということ。

皆さんにもご納得いただけましたでしょうか?

【生成AI】診断・検査・治療方法を提示する

「臨床現場で生成AIを活用する」と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべたのは

「外来で生成AIが診断・検査・治療方法を提示してくれる」というものなのではないでしょうか?

問診・バイタルデータを生成AIに読み込ませることで鑑別診断が羅列され、

それを見ながら医師が診察・検査を行い、最終診断を確定させる。

治療方法については生成AIと相談の上決定する。

これらを繰り返すことで生成AIも成熟していく…。

今後、外来でこんな取り組みが行われるようになっても、なんら不思議ではありませんよね。

更紗
私個人は、医師の診察は必須だと考えています。生成AIに丸投げして「問診・バイタルデータを入力するだけで、自動的に診断がついて処方薬がもらえる」などということは、可能だとしても危険過ぎます。
ねこさん
問診の内容が嘘かもしれないし、処方薬をオーバードーズや転売に悪用されかねないよね。
医師による医師のためのChatGPT入門』では、ChatGPTに皮膚疾患の画像をアップロードして診断してもらう…という手法を取っており、
「ChatGPTは現段階では専門医のレベルに及ばない」「鑑別診断の漏れがないか確認するサポートツールとして使うのがよい」と結論づけられていました。
(精神科領域では、「生成AIに診断・治療の相談をすることは有用」という報告があるとのこと)
しかし、続編の『医師による医師のためのChatGPT入門②』では、
ChatGPTと共同で詳細な問診表を作成し、その問診結果からChatGPTに診断を依頼すると、正答率が約80%にもなったとのこと!
更紗
「ChatGPTは専門医のレベルには及ばないよ〜」で諦めるのではなく、「ChatGPTが診断しやすい問診票を作ろう!」という発想に切り替えたおーつか先生…脱帽です。
ねこさん
「生成AIを活用する」には、やっぱり生成AIに寄り添う姿勢が必要だね。
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【生成AI】共感する

どんなに人間らしい言葉を使っていても、生成AIは人間の気持ちが分からない。

だから、「患者さんへの共感が必要な医師の仕事は、生成AIに奪われない」かというと…そうでもないかもしれないのです。

UCSDのJohn Ayers氏らによる研究で、「ChatGPTは医師よりもわかりやすく説明する能力がある」と報告された。

この研究では、195種類の医学的質問に対する医師とChatGPTの回答を比較し、78.6%がChatGPTのほうが優れていると判定されたんだ。(PMID:37115527)

(中略)

さらに、だ。AIのほうが人間の医師よりも共感性が高いという結果が出た。

(中略)

患者さんの気持ちに寄り添う言葉は、学習することができる。

AIも同じように学べば、共感しているように患者さんからはみえるんだと思う。

 

ーおーつか先生『医師による医師のためのChatGPT入門

更紗
確かに私も、「患者さんに病状説明したのに、患者さんは何も理解していなかった」…という苦い経験があります。今なら、ChatGPTに病状説明の内容を相談するのが望ましいでしょうね。
本書では、「対応が難しい患者さんにどのような言葉をかけたらよいか」ChatGPTに尋ねていました。
この回答をそのまま棒読みするのではなく、自分の言葉に置き換えて、最適なアプローチ方法を模索する…。
生成AIを活用しながら、患者さんの心に寄り添う医療が提供出来るといいですね。

【生成AI】薬の飲み合わせを確認する

多重薬剤併用(ポリファーマシー)とは、一般的に6種類以上の薬を継続して服用している状態のこと。

「副作用・相互作用・飲み間違いや飲み忘れのリスクが上がる」「医療費の増大に繋がる」といったことでも問題となっています。

ねこさん
日本人は「薬大好き」な人が多いから、多重薬剤併用になりやすいだろうね。
更紗
私が訪問診療のバイトをしていた際、担当の高齢患者さんが20種類ほど薬を飲んでいたので、「必要ない薬をカットしますよ」と説明したのですが、その方は激怒してしまって結局カット出来ませんでした…。

そんなに多量に薬を内服していたら、「薬の飲み合わせをチェックしてください」と言われても、

人間の能力的には「併用禁忌薬がないかチェックするだけ」で精一杯でしょう。

医師も見落とすことがあるし、薬剤師さんも見落とすことがある。

それが現実です。

しかし、その現実に甘んじて現在の問題を放置するわけにはいきません。

ChatGPTのプロンプト欄に処方薬を羅列して、「併用禁忌や併用注意があるか確認してください」と依頼してみましょう。

この手の確認作業は、ChatGPTが人間の能力を凌駕しています。

しかし最終確認は、自分自身の目で行うことをお忘れなく!

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【生成AI】紹介状や退院サマリーを作成する

本書では、ChatGPTに「紹介状の雛形の作成」「紹介状の作成」「インフォームド・コンセントの内容のまとめ」を依頼する方法を紹介しています。
例えば「紹介状の作成」において、ChatGPTに下記のようなプロンプトを入力していました。
以下の内容を盛り込んで診療情報提供書を作成してください。
####
病名:アトピー性皮膚炎、幼少期よりアトピー性皮膚炎あり、ステロイド外用剤を使用、20XX年より経口JAK阻害剤開始、採血データは別途添付。
ー『医師による医師のためのChatGPT入門
ねこさん
こんなメモ程度の情報で、ちゃんと診療情報提供書が作成出来るの?
更紗
どうなんでしょうね〜。ChatGPTの回答は次の通りです。
【診療情報】
診療期間:[診療開始日]〜[診療終了日]
主訴:長期にわたるアトピー性皮膚炎
診断結果:幼少期より存在するアトピー性皮膚炎。症状は時折強くなり、周期的な治療が必要。
治療内容:ステロイド外用剤の長期間使用。20XX年より経口JAK阻害剤を開始し、症状の管理に努めています。
現在の状態:経口JAK阻害剤による治療を継続中で、症状は比較的安定しています。
今後の治療方針:現在の治療を継続しつつ、症状の変化に応じた治療の調整を行います。
採血データ:別途添付しています。
ーChatGPT

あのキーワードだけでここまで作成してもらえました!

あとは医師自ら見直して修正し、印刷するだけ。

自分でゼロから作成するのと比べて、ぐっと手間が省けたのがお分かりいただけると思います。

おーつか先生曰く、「紹介状や要約に関しては、今後、電子カルテに自動生成機能が搭載される可能性が高い」とのこと。

更紗
実は私が臨床研修医時代に「病棟業務やりたくないな〜」と思っていた理由の一つが、「退院サマリーの作成」なんです。

当時勤務していた病院では、退院サマリーを作成するのは研修医の仕事でした。

患者さんがやっと退院した!と思っても、退院サマリーの作成依頼が山積み。

「いつまでもそれらの患者さんを抱えている感覚」で達成感を感じにくかったです。

またその病院では、「勤務時間中に退院サマリーを書くことは禁止」「時間外労働時間はゼロと申告する」というルールがありました。

つまり、勤務時間外に退院サマリーを作成してもタダ働きということ。

更紗
当時から「患者さんが退院したら、自動的に退院サマリーの下書きが作成されたらいいのに!」と思っていました。まだ電子カルテに実装されるまでには至っていませんが、今はChatGPTがサポートしてくれる段階まできています。感無量ですね。
しかし、医師には守秘義務があることをお忘れなく。
「ChatGPTに患者さんの個人情報を入力しない」「ChatGPTの学習機能をオフにする」という対策を取ることは絶対に忘れないでくださいね。

↓ 患者さんの個人情報に配慮する方法は、「基礎編」の記事に書いています ↓

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おわりに

今回は、「医師が生成AIを活用するためのノウハウ」臨床現場編をお届けしました。

生成AIを活用するその先、医療現場にはどのような未来が待っているのでしょうか。

おーつか先生と花咲先生は下記のように会話していました。

おーつか:ただ、悪い未来も考えられる。最初に心配したように、医者の仕事が完全にAIに取られてしまう未来だ。

花咲:せっかく医者になったのにそれは困ります。

おーつか:生成AIをどう活用するかは、いまのぼくらの選択にかかっている。多くの医療従事者が生成AIを仕事の効率化に使い始めれば、生成AIはその方面に発展していくだろう。でも、われわれが生成AIからそっぽを向いて使わないでいたら、医者の人件費削減を目的とした生成AIの開発が進むかもしれない。

花咲:マイナー診療科は生成AIで十分という病院も出てくるかもしれないですね。

おーつか:うん、そうだ。だからぼくらは積極的に生成AIを活用して、医療従事者の仕事のサポートに生成AIが有効ですよ、患者さんにとっても生成AIは医療の質をあげる有効なツールですよ、と証明していかなければならない。

 

ー『医師による医師のためのChatGPT入門

既に、医師不足で専門科外来を閉鎖せざるを得ない医療機関もあります。

そのような医療機関では、今後「生成AIを活用して専門科外来を維持する」(その科の専門医ではない医師が一定の医療を提供する)という選択を取ることも考えられます。

どのような未来を築いていくかは、「私たち自身が生成AIをどのように活用していくか」にかかっています。

もちろん、まずは生成AIについて学び・使うことから。

そのために、当ブログが少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

次の記事もお楽しみに〜。

では、また!

*生成AIに興味がある方は、今回の参考書籍『医師による医師のためのChatGPT入門』シリーズは絶対に購入していただきたいです。

書籍を読みながら当ブログをご覧いただくと、より理解が深まりますよ!

↓ 2024年4月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2024年9月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門②』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2025年12月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門③』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

過去記事で紹介した、医師のキャリア形成事例集『医師のための40歳からのリブート(再起動)大作戦』(編:岸 拓弥、出版:メディカ出版)には、大塚先生の教授選エピソードも掲載されています!

ご興味ある方は、是非こちらもご覧ください。

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