【日記 vol.12】池上彰さんに学ぶ、宗教的リタイアの考え方

  • 2023年12月9日
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  • 転職

リタイアの考え方には、宗教が関係している?

皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。

池上彰さんの著書、『私たちはどう働くべきか』(著:池上 彰、出版:徳間書店)を読んでいたら、

”リタイア”について興味深い考察が書かれていたので、今回ご紹介させていただきます。

どういうものかというと…「アメリカ人のリタイアに対する考え方には、宗教が関係している」というものです。

アメリカ人は早くリタイアしたい、日本人は長く働きたい

アメリカでは定年制をとっていない企業もありますが、多くの人は60歳くらいでリタイアします。

アメリカ人は早くリタイアして、老後はフロリダで悠々自適に暮らしたいという夢がありますから、いつまでも働き続けたいという発想はありません。

定年制を設けていないのは、「定年制は年齢差別だ」という考えがあるかららしいよ。

一方、日本では定年がどんどん延長されています。

もちろん強制的なものではなく、60歳を過ぎても働きたい人はこれからも雇用を認めてあげますよ、辞めたい人は辞めてもいいですよ、という仕組みです。

更紗
日本人は長く働く環境を用意されている一方、アメリカの考え方を取り入れて早期リタイアを目指す人も増えてきていますよね。
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キリスト教的な「労働」の考え方

なぜこんなに働くことについての意識が異なるのでしょうか。

そこには宗教が関係しています。

アメリカに限らずキリスト教社会では、「労働は神から与えられた罰」という考えが根づいています。

『旧約聖書』には、エデンの園でアダムとイブが神様の言いつけを破って知恵の木の実を食べ、知恵がついてしまうことが書かれています。

このことで神の怒りを買い、楽園から追放され、人間の苦難が始まったのです。

エデンの園には食べ物が何でもあって、働くことも一切なく、裸で悠々自適の生活をしていましたが、神は言いつけを破ったアダムとイブに対して罰を与えます。

アダムには「これからお前は死ぬような思いをして固い土地を耕して、食べるものを育てなければならない」と言います。

要するに、罰として労働=Labor(レイバー)を命じるわけです。

一方、女性であるイブに対しては「これから苦しんで子どもを産まなければならない」と言います。

出産も英語ではLaborです。

Laborには労働という意味と、出産という意味があるのです。

更紗
これは、池上さんの本を読んで初めて知りました…!

労働と出産は神の罰。

罰として労働しなければならないのであれば、一刻も早くリタイアしたいと考えませんか。

これがキリスト教的な考え方です。早くリタイアして、第2の人生をどうしようかと考えます。

アメリカのエリートがなぜバリバリ働いているかというと、若いうちに大金を稼いで早くリタイアしたいからです。

これが日本だと、宗教的な背景がないので、むしろ何歳になっても働いて、自分は会社から必要とされていると感じられれば、それが生きがいになります。

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定年後をどうするか

日本では定年後、やることがないという人もいますが、海外では在職中からリタイアしたら何をするかということを一生懸命考えています。

そこが大きな違いです。

公務員を65歳定年にするなど、今、定年が延長されている理由は、

働ける人は働いて税金を納めてほしい。

そして年金を支払わないで済むようにしたい、という国としての目的があるからです。

そんな中でも働けるかぎりずっと働くのか、それともさっさとリタイアして好きなことをやって過ごすかは、それぞれの考え方で決めることができます。

自分で決めるという、まさに個人の価値観が問われる時代なのです。

人生100年時代でいうと、60歳か65歳で辞めても、まだあと30年、35年とあるわけですから、もう1回再就職しても勤続30年になります。

長寿社会では第2の人生、第3の人生を考える必要があるということです。

社会の変化に若い人は柔軟に対応できるかもしれませんが、50歳、60歳を過ぎるとなかなか難しいのかもしれません。

労働の仕組みが変わった時に、スムーズに移行できるかが重要になるのではないでしょうか。

時代にうまく合わせる能力を、自分でどれだけ築いていくかということが大切です。

働き方 2.0 vs 4.0』では、「生涯現役なら、老後問題は解決する」と書いていたよね。
更紗
年金受給額を引き下げられるという話もある中、将来、年金だけで好きなことをして暮らせるか疑わしいですよね。私も生涯現役で働いていたい派です。その方が安心なので。

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雇用延長はするべきか

働き方改革では高齢者の労働力も求められています。

別の目標があったり、働かないで年金で暮らしたりという人以外は、やはり会社に残って働くというケースが多いと思います。

雇用継続になると、ほとんど給料が半分から3分の1になります。

そしてかつての自分の部下が上司になって、その指示のもとに働くことになります。

元部下もやりにくいでしょうし、なんとなくぎくしゃくするのではないでしょうか。

一方、その会社の中で働いたことによって取引先の人に気に入られて、来てくれと言われることも結構あります。

理想をいえば定年退職後も会社にずっとしがみついているよりは、それまでの間に副業なりなんなりで身につけた能力を生かして、まったくの別天地で第二の人生を歩むというのが精神衛生上いいのではないでしょうか。

基本は会社に頼らない生き方をすべきだと私は思っています。

会社のために自分があるわけではなく、自分のために会社を選んだわけですから。

もちろん、その会社に入った以上会社を発展させなければいけないのですが、結局は自分の成長に資するかどうかということです。

全部、自分のエネルギーを吸い取られてしまって、自分が成長できないというのがブラック企業です。

退職後もこの点を考えてみてはいかがでしょうか。

更紗
なんと、池上彰さんも「会社員時代に副業」→「そこで身につけたスキルで独立」ということをオススメしているんです…!両学長さんと一緒ですね。
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まとめ 仕事があることに感謝

池上彰さんから、キリスト教社会では「労働=神からの罰」という考えがあるということを教えていただきました。

しかし私たちは、人生100年時代の半分に当たる「50年間を労働して過ごさなければならない」世代です。

50年間「罰を受けている」と感じながら苦しんで働くよりは、

大好きなことを仕事にして楽しく働いた方がいいとは思いませんか。

私は日本人でキリスト教信者でもないからかもしれませんが、常々「仕事があることはありがたい」と思っています。

生活費を稼いで安心して暮らすことができるし、仕事を通して学ばせてもらうことが多いからです。

皆さんも、もし今の仕事に苦痛しか感じないのであれば、「感謝の気持ちが湧くような仕事」を探してみてはどうでしょうか。

私も臨床医時代は苦痛しか感じていなかったのですが(笑)、専属産業医に転職してからは毎日感謝いっぱいで働けています。

皆さんのより良いお仕事探しに、当ブログが少しでも力になれたら幸いです。

では、また!

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