【医師のための生成AI活用術⑤】総力を挙げて臨む「論文を書く編」〜 ChatGPT以外のツールの選び方

皆さんこんにちは、更紗(さらさ)です。

来週からやっと第二子(年中)の幼稚園が再開します。

夏休み長かった〜〜〜でもあっという間でした!

第一子(小1)はもう少し夏休みが続くので、もうひとふんばりです。
さて、今回も「医師が生成AIを活用するためのノウハウ」について紹介して参ります。

前回までの「基礎編」「臨床現場編」「学会発表編」「論文を読む編」に引き続き、今回は「論文を書く」です!

「AIと人間の役割分担」「ジャーナルのAIポリシー」「参考文献管理」「AI翻訳」など、

論文のアウトプット(書く作業)」をメインに、生成AIを活用する方法をご紹介します。

参考書籍はもちろん、大塚 篤司先生の『医師による医師のためのChatGPT入門』シリーズ。

更紗
全医師にオススメしたい良書です!

本書では、登場人物2人のやりとりでストーリーが進行していきます。

  • 花咲アイ先生(2年目の皮膚科医。パソコンが苦手)
  • おーつか先生(皮膚科医、大学教授。生成AIのワークショップを開催)

↓ 2024年4月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2024年9月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門②』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2025年12月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門③』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

更紗
実は、シリーズ3冊目『医師による医師のためのChatGPT入門③』は、一冊丸々「論文執筆術」について解説しているんですよ。書籍の帯には「AIを良き『相棒』に、”最少”の時間で”最高”の論文を書こう」と書かれていました。
この記事を読むことで、「生成AIの進化が早すぎてついていけない」「自分の働き方に悩んでいる」という方も、
「ChatGPTをはじめとしたデジタルツールを活用して働き方を改善する」ことが叶うはずです。

是非ご一読ください!

↓ 「基礎編」の記事はこちら ↓

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【生成AI】「AIの役割」と「人間の役割」を明確にしよう

2025年は、私にとって「AIをいかに使いこなすか」を模索し続けた一年でした。

(中略)

その中でも、最も難しさを感じたのが論文作成です。

理想を言えば、すべてのデータをAIに渡すだけで、完成度の高い論文が出来上がるーーーそんな世界が訪れるのが望ましいのでしょう。

(中略)

確かに、それらしい文章や、形だけ整った不完全な論文を作ることはできます。

しかし、実際に投稿できるレベルかと言われると、到底満足できるものではありませんでした。

 

ー大塚 篤司『医師による医師のためのChatGPT入門③

ねこさん
やっぱり、AIに論文を書いてもらうのは無理なのかな。
更紗
それが、「決してそうではない」とのことなんです。
大塚先生は、試行錯誤を重ねるなかで、
「AIが非常に有効に力を発揮する場面」と「人間が自らの頭で考え抜かなければならない部分」が明確になってきたと仰っています。
それは下記のようなものです。
<AIが得意なこと・苦手なこと>
  • AIが得意なこと:文章の整理、表現の洗練、言い回しの改善など → AIの役割
  • AIが苦手なこと:ゼロからの論理構築、文献の引用、データの解釈など → 人間の役割
これらAIの特性を無視して論文作成をすると、下記のような壁にぶつかることが分かっています。

NG:AIに丸投げ

「完璧な論文を書いてください」とだけ指示

出てきた論文をそのまま投稿

その結果、論理展開がバラバラ、根拠が不十分、査読でリジェクト

更紗
ここ数年間で「生成AI使用」が原因の論文撤回が増加しています。学術誌側もAI検出ツールを導入しているので、絶対にバレると思いましょう。

OK:AIを相棒にする

自分で構成を作る(イントロ→方法→結果→考察の流れを設計)

自分で下書きを書く(データと論理展開を自分の言葉でまとめる)

AIに相談する(この論理展開に矛盾はないか、この表現をもっと明確に出来ないか)

自分で最終チェック(AIの提案を吟味し、責任を持って採用・修正)

更紗
AIは、人間が書いた論文の校正・ブラッシュアップに使うのが望ましいということです。これならば論文撤回のリスクは低そうです。

【生成AI】ジャーナルのAI使用ルールを確認しよう

まずは、論文作成前に、主要出版社で共通のAIポリシーを覚えてください。

<主要出版社の共通AIポリシー>

  1. AIを著者として認めない
  2. AI使用の開示義務(どこでAIを使ったか、使用したツール名を申告する)
  3. 人間による検証必須(正確性を人間が確認、最終責任は著者にある)
  4. 画像・図の生成制限AI生成の図は原則禁止
  5. 査読プロセスでの使用制限(機密保持のため、査読者はAIに原稿をアップロード出来ない)
更紗
ご自身の論文の投稿先が決まったら、必ず投稿先の最新のAI使用ポリシーも確認するようにしてください。
ねこさん
頑張って作成した論文が、ポリシーに反するものになっていたら、立ち直れないもんね。

それらAI使用ポリシーを確認した上で論文を作成したとしても、

投稿前に必ず、下記「AI使用に関する投稿前チェックリスト」を一つ一つ確認してください。

AI使用に関する投稿前チェックリスト

ステップ1:ジャーナルのポリシー確認

  1. 投稿先ジャーナルのAI使用ポリシーを確認した
  2. 開示方法(Acknowledgments/Methodsなど)を確認した
  3. 禁止事項を理解した

ステップ2:AI使用の申告準備

  1. 使用したAIツールをすべてリストアップした
  2. 各ツールの使用目的を明確にした
  3. 申告文を作成した

ステップ3:内容の検証

  1. AI生成の全内容を人間が確認した
  2. AI特有のフレーズを削除した
  3. 参考文献の実在を確認した(リファレンスハルシネーション対策)
  4. 図がAI生成でないことを確認した
  5. 数値計算を統計ソフトで確認した

ステップ4:倫理的配慮

  1. 患者情報の匿名化を確認した
  2. 一時チャットを使用したか確認した
  3. データプライバシーを遵守した

ステップ5:最終確認

  1. 共著者全員がAI使用に同意した
  2. 申告文が正確で完全である
  3. 投稿規定に沿っている
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【生成AI】ChatGPTだと危ない!?参考文献管理ツールを使い分けよう

皆さんも、リファレンスハルシネーションについてのニュースを目にしたことがあると思います。

リファレンスハルシネーション(Reference Hallucination):生成AIが、存在しない引用、論文、書籍、URLなどの参照情報をでっち上げる現象

実際に、架空の論文を引用して撤回された事例もあるとのことです。

医師による医師のためのChatGPT入門③』の中でも、ChatGPTに論文を提案してもらったところ、

リファレンスハルシネーションが起きた…という実演をしていました。

なので、参考文献管理にChatGPTはオススメしません。

代わりに、参考文献管理専門のAIツール(実在する論文だけを提案する設計)を5つご紹介します。

<参考文献管理ツール選択ガイド>

ツール分野用途料金
1Elicit一般研究文献レビュー、引用探し無料/有料
2OpenEvidence医療臨床エビデンス、引用管理無料
3Connected Papers一般研究視覚的文献マッピング無料/有料
4Paperpal一般研究学術執筆・編集支援無料/有料
5Paperpile一般研究Google統合参照管理有料

ちなみに、おーつか先生が推奨しているのは、下記のようなツール選択です。

  • 医学論文を書くなら → OpenEvidence + Elicit
  • 視覚的に研究分野を把握したいなら → Connected Papers
  • 英語執筆に自信がないなら → Paperpal
  • Goodle DocsやGoogle Driveを使っているなら → Paperpile

繰り返し申し上げますが、AIツールも完璧ではありません。

AIツールが提案した参考文献は、必ずPubMedでダブルチェックを行いましょう。

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【生成AI】ChatGPT以外のAI翻訳ツールを使い分けよう

私も大学院生時代に英語論文を作成しました。

当時はGoogle翻訳も「変な翻訳だよね」という時代だったので、自力で英文を書いていましたよ(英文校正にも出さず)。

今から英語論文を書く人であれば、「日本語で論文を書いて、ChatGPTに英訳してもらおう!」と考えるのは自然なこと。

ところが…それは危険と言わざるを得ません。

ねこさん
え?過去記事で「日本語→英語の翻訳はChatGPT」「そのChatGPTの英語を更にDeepLで日本語に翻訳して確認する」とか書いていなかったっけ。
更紗
そちらも有用なのですが、学術論文の作成となると、更に慎重にならなければなりません。特に医療・医学分野での日本語→英語翻訳はハルシネーションが多いという問題があります(データが少ないため)。

まず、ChatGPTは汎用AIのため、下記のような「AI特有のフレーズ」が入りやすいこと。

<AI特有のフレーズ>

  • as an AI language model
  • regenerate response
  • I cannot provide
  • As a helpful assistant

こういうフレーズが論文に残っていると、AI生成文章をコピペしたことが一発でバレます。

「AI特有のフレーズ」を見つけた場合は、削除することをお忘れなく。

ChatGPTを翻訳ツールとして用いるなら、下記のような使い方がオススメです。

<翻訳ツールとしてのChatGPTの使い方>

  • 日本語の文章を、アカデミックな英語に翻訳してもらう(あくまで下書き作成)→徹底的な書き直しが必要
  • 自分が書いた英語の文章の、英文法をチェックしてもらう

おーつか先生は、他にも下記のような専門の翻訳・校正ツールを紹介してくださっています。

<おーつか先生推奨の翻訳・校正ツール>

ツール特徴用途
1DeepL Write文章の改善に特化英文のブラッシュアップ
2Grammarly文法チェック専門文法・スペルミス検出
3Writefull学術論文特化アカデミック表現の提案

専門ツールの方が、「AI特有のフレーズ」が入りにくく、勝手に情報を追加することが少ないとのこと。

逆翻訳でのチェックは、ChatGPTではなくDeepL翻訳などの専門ツールを使用するようにしましょう。

とはいえ、医療分野では命に関わる情報を扱うため、

「自ら英語の原文を読む」ことや、「共同研究者や英語ネイティブに確認する」など、

人の目による最終確認をお忘れなく!!!

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おわりに

今回は、「医師が生成AIを活用するためのノウハウ」論文を書く編をお届けしました。

「医師のための生成AI活用術シリーズ」5作目となりますが、この記事がシリーズ最終回となります。

結構長かった〜ここまでくるのに2ヶ月間もかかりました(笑)。

今回の参考書籍『医師による医師のためのChatGPT入門』シリーズには、

皆さんに紹介しきれないトピックスがたくさん掲載されています。

生成AI活用にご興味がある方は、是非『医師による医師のためのChatGPT入門』シリーズをお手元に置いて、

楽しい生成AIライフを送っていただきたいと思います。

皆さんの働き方がより良いものになることを願っています。

では、また!

*生成AIに興味がある方は、今回の参考書籍『医師による医師のためのChatGPT入門』シリーズは絶対に購入していただきたいです。

書籍を読みながら当ブログをご覧いただくと、より理解が深まりますよ!

↓ 2024年4月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2024年9月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門②』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

↓ 2025年12月発行 ↓

医師による医師のためのChatGPT入門③』(著:大塚 篤司、出版:医学書院)

過去記事で紹介した、医師のキャリア形成事例集『医師のための40歳からのリブート(再起動)大作戦』(編:岸 拓弥、出版:メディカ出版)には、大塚先生の教授選エピソードも掲載されています!

ご興味ある方は、是非こちらもご覧ください。

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